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働かないおじさんは改善できる

「働かないおじさん」というキーワードは、事あるごとにネット上でトレンド入りします

働かないおじさんに対していろいろと言う記事はありますが、私はいろんな働き方をする人たちの1つの形と考えます。働かないおじさんという人たちがいる一方で、働きすぎのおじさんもいるわけです。

働かないおじさんについては業務がうまく進められない理由があると思うのですが、問題点や解決策につながる考え方について書いていきたいと思います。このブログは業務管理についての考え方やテクニックの1つを紹介していますので、このブログを読んだ後チームや社内でディスカッションをして頂ければと思います。

 

目次

  1. 働かないおじさん以外のいろんなタイプの働く人
  2. 働かないおじさんは何をしているのか
  3. 業務の進捗確認はまず業務を分解することから
  4. 働かないおじさんはまだ変えられる

 

 

働かないおじさん以外のいろんなタイプの働く人

冒頭にも書きましたが、働かないおじさんは「働いている姿の1つの形」と考えています。例えば、要領の悪い若手や過労な感じのおじさん・時短なのにバリバリ働く方など様々です。

1にて私の社会人経験でいくつかの姿が思いついたので、タイプ別に表現してみました。あらゆるタイプの方が会社の中にいますが、この人たちはどんな仕事の進め方をしているのでしょうか?当然ながら、働かないおじさんだけが働かないわけではありません。他のタイプの方も見てみましょう。

 

図1 社内での様々な働き方をする人たち
図1 アウトプットに対して対価が払われているか?

①アウトプット多いおじさん

社内のエース級のおじさんです。ITリテラシーも高く、コミュニケーション力もある方です。仕事をバリバリして会社のために貢献できています。

②バリバリ時短さん

これは私も部下に何名かいましたが、時短の方の方が集中力があってかえって時短でない人よりもアウトプットが出せていることがあります。在宅やジョブ型の勤務で働きやすい制度にしてあげられると本人も楽になると思います。

③アウトプット普通さん

そつなくこなして残業も多くなく業務をこなしている感じの方です。実はもっと能力を出せるかもしれません。

④過労おじさん

これ以降は会社またはその本人が業務で苦労をしているケースです。過労おじさんは何に対して業務が多いのか遅れているのかわからないです。大量のメールを受信し捌いて、その内またメールがくる。このような働き方になっているのは過労おじさんが作ったものでは無いです。いつも忙しいと言っていますが何が忙しいのでしょうか。

⑤要領 悪い君

要領の悪い人いますね。だいたい業務の進め方に問題があると思います。
やり方を最初に相談等をして進めると良いでしょうが、業務をどうやって進めているか意識できてない人が多いです。

⑥仕事うけないさん

けっこう社内にいますね。仕事を受けない人。なんだかんだで言い訳をして仕事を受けないようにする方がいます。でもよく見るとそんなに忙しくなかったり。
仕事何をしているかわからない人が多いです。

⑦働かないおじさん

世の中でいろいろと言われている働かないおじさんです。働かないおじさんと業務処理が遅いおじさんは意味が変わります。
最初から働かないおじさんとなのか、働こうとはしているけどうまく業務処理ができずに結果的に働かないおじさんとされているのかで大きく異なります。

 

様々な人たちがいますが、どのタイプにも仕事のやり方に問題がありそうです。

 

 

働かないおじさんは何をしているのか

そもそも働かないおじさんは、今何をしているのでしょうか?

仕事がある程度渡されていると仮定した場合に、依頼した業務のどの部分をやっているのか、今何をやっているかを把握しておく必要があります。

図2では、作業があった場合にまずは作業の分解がされて、様々な能力を使ってアウトプットにつながっているというプロセスを表現しています。

  • 作業の目的を確認
  • どんな内容の作業や処理も手順を大まかに分解
  • どこでどんな作業(表を作成したり)をするのかを考える

これはパワーポイントを作成したりエクセルで表を作成したりし報告書や計画書を作成することがあるかと思います。ここでエクセルが得意でない場合は、エクセルの表や関数でてこずってエクセルと長時間格闘することになってしまいます。

ここで気になるのは、働かないおじさんは一体どこで働いていない状態となっているのかという点です。作業テクニックを必要とする作業なのか、作業の分解なのか、調整事項なのか?

仕事での作業でスピードが上がらないのは、何か問題があると考えます。その時、チームメンバーや関係者はその問題点を抽出して解決しているのでしょうか?

 

図2 作業を受けてから完了するまでに行うことを表現

図2 各社員の業務の進め方をどう工夫するか?

この図は、依頼された作業についてどのように業務を進めているのかをイメージしたものです。作業の内容を確認し、作業の分解(進め方)を考え個別の作業に進みます。依頼されたものに対して分解された個別作業が完了し、最終的なアウトプットになります。分解した作業の内容により作業難易度があり、時間や品質に差が発生します。

1日で終わる感じの作業量であれば分解した作業の共有はあまり必要とされないかもしれませんが、大きな作業だったりチームで作業を分担する場合はお互いどこまで仕事が進んでいるのか確認する必要があります。

業務の進捗は、分解された作業単位で状況(ステータス)を明記します。この作業単位の管理を楽にするのが、Jira等のチケット(タスク)管理と言われるツール類です。

※今回は省略しますが、このチケット(タスク)管理を有効に機能させるには、ナレッジマネジメントツール(Confluece等)やディスカッションの自由度を上げるホワイトボードアプリ(Miro等)を同時に利用することで作業分解やコミュニケーションを円滑にすることができます。

 

 

業務の進捗確認はまず業務を分解することから

作業単位でトラッキングする

業務分解をすると作業単位でトラッキングできるようになります。業務は作成する物や決定する事項等によって分解します。定型的な作業であれば、その分解した作業に時間を割り当てることもできるでしょう。

この分解した作業を確認すると、どこが遅れているか未着手かをはっきりさせることができます。分解した作業に時間を記録すると、次回同じような作業をするときに作業時間を見積もれるようになります。また、作業単位に見積もることで実際どれくらい遅れたのかがわかりやすくなります。ただし、作業がxxx設計書作成だけだと難易度もわからないので分解の単位をもう少し細かくする必要があります。

 

個人や組織内の作業傾向を知る

業務を分解し始めると、個人や組織内の作業傾向が見てきます。必要なスキルだったり使っているツールがバラバラだったりと、個人や部門でも傾向がでます。また、仕事のどこが遅いのかがわかってきます。

例えば、エクセル操作が遅いのか、調整が遅いのか等がそれにあたります。分解した作業にどのツールを使ったのかをラベル等で記録すると、作業傾向がわかります。社内のレポートラインの改善等も可能です。

 

弱点への対策を行う

作業の弱いところが分かった後、弱いところを強くするか誰かに依頼するか、またはツールを導入するのか等、対策を打つことができます

ツール操作の得意不得意はあるという前提で対応する考え方なのか、ITリテラシーは上げるべきなのかという問題はありますが、業務を早く終わらせるにはどうすればよいかはマネジメントで解決する必要があると考えます。

 

 

働かないおじさんはまだ変えられる

昨今、早期退職等の記事で働かないおじさんについてよくネットに書かれていることから思いついたブログですが、働かないおじさんに対してだけではなく全ての社員が公平に見える化を経由して、どの作業が遅いのか苦手なのかをはっきりとする必要があると考えています。

働かないおじさんは改善できるという題名を書いたのは、働かないおじさんがしっかりと作業の分解を行えば遅い作業が特定でき作業が改善ができるかもしれないと考えたためです。

図3では、作業の依頼から作業分解後にチームやグループ内で分解した作業内容を共有し、作業を推進するイメージを表現しています。分解した作業をチケット化(タスク化)して共有します。厳密には作業の依頼からチケット化し、今どれくらい依頼内容があるのかを見える化して管理します。

 

図3

図3 分解したものを一緒に見ながら仕事をする

 

業務を分解し何に困っているのかを明確にする

仕事の結果ばかりを見ずに仕事を進める業務分解、つまり作業を明確にする運用にすることで最終的なスピードと品質を得ることができると考えます。重要なのは結果だけでなく入口(作業分解)と進捗共有であり、個人に結果を求めるものでなくチームや会社でどうやって結果を出すかを考える必要があると思います。企業内の仕事の進め方の見える化を行うことで、作業上の課題やスピードが上がらない原因がはっきりします。

別の問題として、モチベーションが無く業務に向かって行けない方もいるとは思うので別の対策が必要な方もいるとは思います。ですがまずは業務の推進がうまく行かない理由をはっきりさせ、評価に反映する必要があります。働かないおじさんを社内での1つの映り方と考え、他の働き方の方々と同じく公平に作業を見える化することで、効率良く仕事を進める方法を探すことができるはずです。

人で解決するのでなく、仕組みとして解決する

全社にJiraのようなチケット管理システムが入っていれば相互に作業状況を確認できお互いに問題点について議論しやすくなります。経営層もスタッフも同じシステムを見て状況を確認することができれば何に困っていて何に投資すべきかが分かりやすくなるでしょう。

作業分解は地味ですが、全社で取り組むことで確実に作業品質とスピードアップを実現できます。また、作業の分解をすることとその情報を共有することでお互いを知るきっかけにもなります。お互いの問題や課題を共有することで、解決の糸口を得ることができるかもしれません。

ただ、この作業分解を全社で行うには、全社一斉にツールを入れたから直ぐにできるものではありません。定期的に作業分解をしているかチェックをしたり、どんな業務が遅れやすいのか等振り返りを行う必要があります。

 

作業分解で、全社を改善するきっかけを作りましょう。

そして作業分解で、働かないおじさん「も」改善できます。

 

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