「働かないおじさん」というキーワードは、事あるごとにネット上でトレンド入りします
実はじわじわニーズが高まる社内の改善、取り組むべき理由と最初の一歩とは?
アメリカに行くまで、ファックスがまだオフィスにあるような日本はどちらかというと遅れているイメージでした。ですが実際に行き、日本の製品が思慮深いことや品質がとても優れていることに気づき、弊社長の高林がよく言っていた「日本の製造業界を元気にしたい」という言葉の意味と気持ちが少し分かった気がします。
同時に、なぜ日本の製品は素晴らしいのに世界に浸透していないのだろうか?と疑問が湧きました。売れるポテンシャルがあるのに、売る活動ができていないのでしょうか。
日々の業務に追われ目の前のことをこなすことが当たり前になってしまい、そのサイクルから抜け出せなくなっている企業はたくさんあります。株式会社LASSICが行った調査『テレワークにおける残業時間の変化』によると、テレワーク時とオフィス通勤時の「1日の残業時間は変わらない」という回答が2020年は54.13%、2021年では49.3%でした。少し減ってはいるものの、半数近くはコロナ禍前と同じくらい残業をしていることがわかります。
ニューヨーク滞在中に街を歩いていて気付いたのは、木曜日の夜からお店が賑わい始めることです。お店は遅くまで人で溢れています。日本のように残業代が出る制度がないため、休むところは休むと切り替えをしている人がほとんどでした。
弊社が専門としているビジネスプロセス改善は、未だ日本に浸透しておらず会社として優先度が上げて改善をしようとなることが少なかったのですが、実は最近コスト削減をするように上から言われているとの相談をよく耳にするようになりました。どうやら時代が変わってきたようです。
社内の業務整理に取り組むにはどうすれば良いでしょうか?社内の改善を怠っていると起きること、まずは何から始めたらいいのかを書きました。
目次
社内の改善をしないとどうなるか
企業の競争力が弱まる
成長するためには作業に費やすのでなく、本業に注力し企業の価値を高める必要があります。例えば、雪の降る日に暖房付きの新幹線を使わずにわざわざ凍えながら歩いて東京から名古屋まで行く人はほとんどいません。短縮できるところを削り、空いた時間で何をするかを考えます。
仕事の場合も同じで省くことのできる作業に何時間も費やすと、会社としてやるべき業務に集中できず、おまけに働く本人のスキルも向上せずと、組織の成長から遠ざかる一方です。例えば判断を必要としないルーティン作業などがこれに当たります。毎回同じ判断をしているならば、それは自動化するなりカットするなりをすることができます。
従業員の成長を妨げる
無駄な作業があるままだと効率が悪いだけでなく、その作業に取り組む本人のスキルアップにも繋がりません。その作業は得意になるものの、肝心な業務に関する専門スキルが身につかなくなってしまいます。例えば、若手のアシスタントに渡す雑務をできるだけ減らし、作業をしなくて済むような業務フローを設計すること等が必要です。
思考しなくなる
例えば、残業の良くない点はなんとなく時間を費やしてしまうことです。どうすれば残業しなくて済むかを考えることで、決められた時間内に終わらすためにどう効率性を高めれば良いのかと意識する習慣ができます。また無駄に作業が多いことに慣れてしまうと、改善を試みなくなってしまう、或いはもっと改善できることに気づかないままでいることが起こります。
このように頭を使わない作業のボリュームはできるだけ減らし、顧客への価値提供を思考する時間を増やすことが必要です。
まずはここから始めよう
残念ながら、このような社内オペレーションの改善はほとんど手をつけられないのが現状です。いざちゃんとやろうとすると課題が溢れるほど見つかりどこから手をつけたら良いのか分からない、またすぐに収益に繋がらないことからつい蓋をしてしまいがちです。地道でなかなか取り掛かりづらいものですが、社内の業務効率化を突き詰めると社外にも影響することが分かります。社内の活動を後回しにしないために、まず何から始めればよいかとそれに伴う考え方を挙げました。
少しだけでも時間をつくる
社内の改善に触れることなく作業を当たり前にこなしてきた期間が長ければ長いほど、理解が難しいかもしれません。まずは、1週間に30分だけでも社内に目を向ける時間をつくることから始めます。現在の業務の流れで滞っているところはどこか、合わせられるところはないかと、プロセスを可視化することからスタートです。
もっと会社の製品やサービスを成長させるために、さらにはお客さんが快適に過ごせるようになるにはどうすればいいのかと探す、考えることが企業が担う社会の役割であり、価値提供です。国際情勢や新しいサービスの登場など、目まぐるしい変化の中、求められる価値は常に変わり続けています。顧客に価値を届けられるよう、組織も人もそれに合わせてアップデートし続けることが必要です。
考え方に合った製品を使う
ものづくりが得意な日本は、ときに作り込み過ぎてしまう場合があります。特に仕組みを作るには、変化に対応できる柔軟性が必要です。物事を循環させるために、滞りを減らすことに集中しなければいけません。
製品には設計者の思想が組み込まれています。なんとなく使っていると気づかないかもしれませんが、なぜその機能があるのか、なぜあの機能がないのかなどを考えてみてください。
その製品を作っている親元の企業のサイトでカルチャーを調べるとさらに製品の理解が深まります。例えばアトラシアンは企業が大事にしている考え方がよく反映されている製品の1つです。
弊社のオンボーディングでは職種や立場に関わらず、まずこのような製品の思想をメインに学習します。オンボーディングに組み込むことで会社が取り扱う製品の理解を深めるだけでなく、どのように仕事に向き合うべきかの考え方や感覚を持つことができ、効果的です。
思い描いたようにならないことも考慮する
例えばハロウィンのような大きなイベントがあると、決まって何かしらの騒ぎが起こります。騒ぎが起きると、ルールを守らない人が悪いという声がたくさん上がります。しかし、1人残らず誰しもがルールを守るようにコントロールするのはできないのが実際のところです。理想をどんなに掲げても、その通りになるとは限りません。これは弊社が大事にしている考え方の1つでもあります。
例えば体調が悪いとき、または止むを得ない事情があるときに、普段と同じパフォーマンスで仕事をすることは不可能です。弊社では、体調が悪そうであれば休むことを薦め、家族や学校の行事があればそれを優先するように伝えています。
毎回100%の力を発揮できないことを前提に動いているため、突然何かが起きても普段通りと近い対応ができます。これはキャパシティ管理にも通じます。
最後に
ちょうど先月、弊社でも社内のオペレーションに関する会議を丸1日使って行いました。日頃業務で不便な点やそれに対する解決策について話し合うことができました。意外と使いづらいなと思っていたことが他の人も同じ感覚だったりします。
お土産のチョコとステッカー
本ブログは抽象的でしたが、これらを実際の製品運用に落とし込み改善するのが弊社の強みです。質問や相談等ありましたら、右下のチャットボタンよりお問い合わせください。