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変化に強い企業になるには?

作成者: Miyu Inagaki|2021/07/21 3:15:00

2020年3月に初めて緊急事態宣言が出てから一年以上経ちましたが、未だ経済は停滞したままです。実はそのような中でも成長を続けている企業があり、そのような企業には共通点があります。ひとつは変化に対応する力があることです。Stripe(ストライプ)は、”Adaptive Mindset” 直訳すると「適応性のある考え方」を提唱しました。成長企業にはこの考え方を持った経営陣が必要です。そこで、今回はAdaptive Mindsetとは何か、どのような利点があるのかをご紹介します。

 

目次

  1. Adaptive Mindsetとは?

  2. Adaptive Mindsetを持つ利点

  3. 実は日本人に向いた考え方

 

 

Adaptive Mindsetとは?

Adaptive Mindsetの定義

オーストラリアのDeakin Universityによると、Adaptive Mindsetとは「変化に対応し、難しいことに挑戦することをイノベーションや成長する機会だと捉える」考え方のことです。研究によると、Adaptive Mindsetを持つリーダーの元では積極的に変化に対応し、機会を最大限に活用することができることが証明されています。

時代はAgileからAdaptive Mindsetに?

世界中のソフトウェアやサービスのレビューサイト”G2”でも高評価を得ている、金融サービスおよびSaaS企業Stripeが出版したドキュメントによると、具体的に「Adaptiveな企業」とは、未来の顧客のニーズを予測し、それに伴う変化を厭わない企業を指します。ここ最近ではそのような企業が開始した変化にアジャイルな企業が気付き、イノベーションを始めるという構造が出来上がりつつあるようです。つまり、アジャイルな企業はAdaptiveな企業より少し出遅れてしまうのです。

日本ではまだアジャイルという考え方が浸透していないので、弊社ではアジャイルになるためにアジャイルは「開発手法」ではないなど、「アジャイル」という考え方を紹介するブログを発信してきたのですが、世界はもう一歩、二歩先を見ているようです。 

 

 

Adaptive Mindsetを持つ利点

市場の状況にいち早く反応できる

Adaptive Mindsetを持っている企業は、市場の分断や顧客のニーズの変化を予測し、いち早くイノベーションを始められるので、早い段階で新しい製品やサービスを市場に到達させることができます。そうすることで市場でのリーダーシップを保つことができます。

実はこれは ”First Mover Advantage”「先駆者利益」というマーケティング戦略にも裏付けられています。先駆者利益とは、いち早くその市場に参入することで高いブランド認知度や顧客ロイヤリティなどの圧倒的な強みを得られるというものです。それが市場でのリーダーシップにも繋がります。

また、もし仮に市場の状況を予測できなかった場合でもAdaptive Mindsetを持っていると、変わりゆくビジネスの環境に素早く対応できるので、競合他社を上回るパフォーマンスをする機会に気付くことができます。

アジャイルのその先へ

先述のとおり日本ではまだ馴染みのないアジャイルという考え方ですが、海外では当たり前に導入されているので、競合他社と戦う心構えとしては弱くなりつつあります。そこで経営陣の考え方がAdaptiveになることで競合他社と一線を画すことができます。

例えば、Stripeによると、コロナ禍によるオンライン化でStripeによる決済を新たに使い始めた(変化に対応できた)企業は、半年以内に総計100億ドル以上売り上げを伸ばしました。また、MastercardやCVCといったAdaptiveな企業は業界平均より3.2倍成長しているようです(参照)

したがって、アジャイルおよびAdaptive Mindsetを導入することはこれからの時代を生き抜くために極めて重要になってくると言えます。

 

 

実は日本人に向いた考え方

仏教的考えが根付いている

ドミニク・チェンは「わたし」のウェルビーイングから「わたしたち」のウェルビーイングへで、日本人を含めアジア人の多くは仏教思想のおかげで自己と他者の境界線が薄いのではないかと著していました。欧米では周囲の人間から独立して個人として感情を経験するところ、アジアでは感情を他者とともに経験するそうです。アジア人は他者と共同の世界に生きているので、「環境は他人を含むため個人には変えられないもの、制御できないもの」として見るのでしょう。

この話を弊社のミーティングでした際に「自然災害の多さにも起因するのでは」とお話ししたしたところ、「そう言えば、自然災害で人が亡くなるのは悲しいが仕方ないと考える国がある」と教えていただきました。もしかすると仏教思想に加えて日本人は特に「変えられない環境」を多く経験してきたため、その考えがより強く根付いているのかもしれません。

なぜこの考え方がAdaptive Mindsetに向いていると考えたかいうと、Adaptive Mindsetは「環境を変える」のではなく、「環境に合わせていく」というところに重点を置いているからです。先述のとおり、環境を享受して生きていくことは日本人が知らず知らずのうちにやってきたことなので、それを意識的に、そして自分たちが環境に合わせて変わることができれば、Adaptive Mindsetを取り入れる第一歩に繋がると考えられます。

真面目な日本企業

実は私はヨーロッパ在住なのですが、しばらくこちらに住んでいると、日本人って本当に真面目だなと気付かされます。日本にいる私の友人は就活の際に「お祈り(不採用通知)メールが来た」「また祈られた」と落ち込んでいましたが、私が申し込んだ現地のインターン先の半数以上はお祈りメールすら返って来ませんでした。書類審査や面接に受かっていても、連絡が来るまで時間がかかることも多々あります。他にも「日本でならこんなに時間はかからない」「日本でならもっと真摯にすばやく対応してもらえる」などと思う機会は山ほどあります。そのような経験をするとやはり、日本人は仕事がはやく丁寧で真面目な傾向があると思います。良い面を残しつつ変化に適応することができれば、きっとAdaptiveな企業に近づけるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

Adaptive Mindsetは環境の変化に対応し、難しいことに挑戦するという考え方です。まず小さな変化をする挑戦から始めてみて、変化するということに慣れていけば、次第に大きな変化をすることに繋がります。

弊社はそんな「変化」を起こすお手伝いを主にクラウド製品の導入を通して行っております。

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