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スタッフのパフォーマンスを上げるには作業の計測から

私はスポーツ界特にサッカー界データ分析に興味があります。
それは単にサッカーが好きということではなく、チームが勝つための手段をメンタルや戦術だけでなく、しっかりとデータによる裏付けがあり試合に挑むための科学的なアプローチがそこにあるからです。

スポーツの世界はデータ測定が当たり前

本田選手は早くからデータ分析の重要性について気付き10年以上も前からデータ分析に対して投資を行っていることに驚かされます。

本田選手のコメントでは
「数値を計測する最終的な目的は怪我の防止に尽きる。自分の能力を高めようと思えば、自分の限界までトレーニングをしなければならない。しかし自分の感覚を頼りにしてしまうと、怪我をしてしまうことがある。つまり、能力を上げることは、怪我とのせめぎ合いとも言える。」

凄くわかりやすい
個人の最大パフォーマンスを出してほしいが、故障は避けなければいけない

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78739?page=1&imp=0


私も企業でも工数や作業内容等の計測の目的は最終的に個人の故障やメンタル不調のアラートを得るためと考えています。個人のキャリア形成のディレクションにもこのデータが活用されます。


企業はまだ精緻な情報を得ていない

企業にとって若手や働き過ぎ社員のウオッチは課題となっていると思います。
しかし実際は作業時間程度しか稼働を見れていないのが現実だと思います。

アトラシアンのJiraの様な課題管理システムを正しく運用すると詳細な活動データが取れます。

「誰が」
・緊急性の高いバグ対応が多いのか
・要件定義にどれくらい時間をかけているのか
・案件化からリリースまでのリードタイム等

Jiraは課題(チケット)に個人をアサインします。
チケット単位で重要度や作業ポイントを設定することも可能
スプリント運用であればチームで最大価値を目指します。
そのチームの成果になるものは個人がどこまでできるかというパフォーマンスに支えられています。
そのパフォーマンスを知るために基礎的なデータ取得が重要となるのです。

ただパフォーマンス計測で重要なのは単純な作業量(工数)だけではありません。
高い知見やスキルを必要とする作業等をデータに色づけしなければナレッジワーカーの生産性や疲労度を分析することにつながりません。

また分析をするためのデータの取得も積極的に行えるような評価制度との関連付けも必要です。
目的(エピック)に対してどれくらいのコミットしたのかを結果ベースではなく、進捗を常にマネジメントとウオッチする必要があります。

 

では、データ分析に役立つ、おすすめの本をみていきます。



『統計学が最強の学問である』はデータ分析の基本

 


統計学者の西内啓氏が書いた、『統計学が最強の学問である』は、データ分析の基本となる情報が網羅されています。統計学ほど誤解されている学問はなく、科学的な根拠を持ってデータ分析に当たることの重要性が説かれ、同時にデータの集計法、正しい見方、誤った情報に振り回されない方法などが書かれています。

統計は、読み方にコツがあり、少し難易度は高いですが、きちんとマスターすれば、最強の味方になってくれます。その入門編・実践編として、本書は大いに役立ちます。

 

『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』

 


USJを立て直した森岡毅さんの書籍です。森岡さんは、ディズニーランドに人気を取られて沈みがちだった大阪のユニバーサルスタジオジャパンに、ハリーポッターやその他のアトラクションを導入することで大人気のテーマパークへと復活させた立役者です。

USJの立て直しに関する本はいくつか書かれているのですが、中でも本書は数字によるマーケティングに特化して、森岡さんたちが数字をどう読み取り、どう実際のビジネスとテーマパーク運営に生かしてきたのかが具体的に書かれています。

どのタイミングで何をすれば、テーマパークに訪れる人が増え、反対に何をしたら不発なのか。すべては数字にあらわれるものであり、その数字を計測し、分析してまた施策に反映していくというサイクルがもっとも大切です。


『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』



エクセル講師の吉田拳さんが書かれた、Excelの教科書です。
Excelはデータ分析に欠かせないツールです。Excelの操作に夢中になっていてはいけませんが、有用なツールとしてデータの格納・操作・分析・処理に大いに役立ってくれます。

エクセルはいろいろなことができますが、ビジネスにおいてはあまりエキセントリックな操作をする必要はなく、通常のセル参照やVLOOKUPといった、基本的な操作をマスターするだけで十分です。その基本的な操作によって、複雑なデータをいかに美しく整え、見やすく整理し、分析に生かすかが腕の見せ所です。

エクセル操作の基本は「データベースファーストの原則」だと本書では説かれています。データベースファーストの原則とは、一枚絵のデータをまとめて、別シートにビューを作ってそのビューを参照する行為です。

データベースとしてのデータは、行を追加していくだけで、触ることはありません。別シートのビューは自由に操作して構わないのです。データ格納と表示を切り分けて、表示のビューを使ってグラフィカルに表示するなど、必要な操作を行います。基本的にデータをいじらないようにしないと、データ部分と表示部分が混在していては、正しいデータの取り扱いができなくなるのです。これがデータベースファーストの原則です。


データ分析の本を読んでレベルアップ


データを分析し、取り扱うために、3冊の本をお伝えしました。ひとつはデータを分析するために知能に負荷をかける統計学の本。ふたつめは、実際の現場で使われたデータ分析と、どのようにそれが成功をもたらしてくれたのか解説された本。そして、みっつめがデータを具体的に処理する際の、ツールとしてのエクセルを解説した本です。

3冊とも、成功を導くための具体的な思考・方法・パターン・具体例が書かれており、かなり役立つことは間違いないでしょう。データを正しく見て、書籍で学び、実践に生かしていきましょう。



ツールだけでなく運用ルールと定着が必要


スタッフのデータをストレスが増えないように取得するにはJiraのようなツールのほかに評価運用やチームの運用ルールを整備する必要があります。

ツールを入れる以上に運用ルールの設計と定着は重要です。

間違ってもコスト削減の目的のためだけにパフォーマンス計測をすることはスタッフとの信頼関係に影響するためやめた方が良いと思いますね

Jiraの運用についてご興味があれば弊社ホームページからお問い合わせください。工数の詳細な管理が可能なTempoというJiraアドオンもご紹介可能です。

 

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