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真の繋がりを求めるニューヨークの若者から関係構築のあるべき姿を考える【INNOOV海外部】

HubSpotのイベント『INBOUND』にて、HubSpotのCEOであるYamniさんは「繋がり」が弱まっていることを現在のビジネス課題として挙げていました。このイベントに関するレポートは既に数多くのメディアからリリースされ、今世界中の企業がこの繋がりを改めて考えています。

わたしは現在ニューヨークにいて、ニューヨークに住む人のためのあるグループチャットに属しています。実はそこでも同じような「繋がり」に関する悩みが語られていました。

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人との繋がりが見直されている今、ビジネス上での繋がりにはどう向き合っていくべきなのでしょうか?リアルな若者の視点も交えながら、考えてみました。

 

目次

  1. ビジネス全体で弱まる繋がり

  2. 28000名の若者が参加するSNSグループで今起きていること

  3. つい誰かに教えたくなる?INNOOVの新メルマガ配信開始のお知らせ

 

 

ビジネス全体で弱まる繋がり

ヒアリングから分かったマーケティングの実態

Yamniさんはヒアリングを実施し、ビジネスシーンで以下3つの繋がりが薄くなっている、分断されていると説明しました。

①システムとデータ
②人と人
③企業と顧客 

ここで②と③について、具体的に言っていたことを簡単にまとめました。

inbound22 pic1 (1)会場ではたくさんの新機能が発表されました。

人と人
パンデミックで人と繋がることが以前より難しくなった。45%の労働者は会社での繋がりが減った、社交的な活動は57%に減ったと調査結果に出ている。コロナ禍で爆発的な人気を得たオンラインフィットネスのペロトン、Yamniさんにとってのコミュニティだった。人はいつでもコミュニティを求めている。一緒にアイデアをシェアし一緒に学び合う。

企業と顧客
ブログを書いてもメールをしても開封されず、すぐスパム行きになってしまう。65%のGoogle検索は1クリックで終わっている。コロナ前と比べ、営業メールの開封率は40%下がっている。ブログの成長率は2021年と比べて1.6%下がっている。つまり、今まで企業が頼りにしていた一般的なセールス&マーケティングの手法が全く歯がたたなくなっている。おまけにプライバシーポリシーが以前より厳しくなったため、ダウンロードコンテンツでEメールを入力することにも抵抗感がある人が多くなった。デジタルへの疲れと不信感が高まっている今、本当に価値のある情報を提供することが必要である。

どう関係構築を最適化すればいいのか

顧客管理ばかりに集中するのでなく、顧客との関係構築に着目することが大切だとYamniさんは主張していました。データよりも文脈が重要であり、コンテクストを拾いながらコミュニケーションをすることが大切です。

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28000名の若者が参加するSNSグループで今起きていること

アメリカ都市部に集まる若者

Yamniさんの話に出てきた人同士の繋がりが弱まっていることについてですが、ニューヨークの若者にも同じようなことが現れています。実際に私が参加している、あるSNSグループの話です。

nyc (1)このグループは、TikTokでニューヨークについて検索をしていた際にたまたま見つけました。ニューヨークで友人を作りたい女性向けのプライベートグループです。2021年に作成され、2.8万人もの20代〜30代の女性が属し、毎日20件近くの新しい投稿がアップされています。

生粋のニューヨーカーもいますが、投稿者の多くは新しくこの街に来た人です。多くの人は一緒にご飯を食べたり遊びにいったりする友達を探しています。

 

「本当の友達が欲しい」

投稿の大半は自己紹介ですが、たまに見かけるのが「本当の友達ができない」「大学卒業後の友達作りに苦戦している」「真の友人が欲しい」という投稿です。1件ではなく、同じようなことを言っている投稿が何件もあります。自己紹介投稿の場合、1投稿あたり20件くらいのコメントがつくのに対して、このような人間関係にまつわる先月グループ内で話題となったある投稿には282件のコメントがつきました。その投稿には「ちゃんとした友人関係を築きたい人のために、新たに小さなグループを作ります」と書かれ、どんなことに価値を置いて何を一緒にするのかなど、詳しいグループ概要が記載されています。frs (1)

コメント欄には「わたしもそのような深い話ができる友人を探していた」「そのグループに入りたい」等のたくさんの共感の声がありました。わたしは短期間の滞在なのでジョインしていませんが、もし現地に住んでいたら確実に入っていたと思います。

実際にグループ内の人と頻繁に会っている人と会ったときに言っていたのは、ありとあらゆるタイプがこのグループに属しているとのことでした。投稿を見ていても確かにそうで、パーティー友達を探している人もいれば読書会を開く人もいます。ニューヨークという大都市に仕事で、または何かを探し求めて世界中からあらゆる種類の人が集まっているのだなと改めて感じました。

 

つながることを恐れなくていい

アメリカのブランド『We're Not Really Strangers』(わたしたちは赤の他人ではない)はカードゲームを販売しており、意味のあるつながりを強化するためのムーブメントです。家族や友人、恋人と一緒に遊ぶことのできるカードゲームで、カードに書かれた会話の質問文を通してお互いの気持ちをさらけ出すことを目的としています。

we're not really strangers card game

このゲームは10〜20代の若者を対象としたアパレルブランド Urban Outfitters でも取り扱われ、その他自社サイトでは衣服も販売されています。また、InstagramやTikTokでは公共の場にメッセージボードを置き、写真や動画を通して発信し続けています。


このように、ビジネスに限らず、人との繋がりを求める動きは至る所で見られます。コロナ禍によって人間関係の希薄化が進み、考える機会が増えたのかもしれません。もしかしたら人間関係をさらに良いものにしたいと、相手へ求めるものがはっきりしたのかもしれません。

 

 

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