
※本ブログはTempo「Eat the frog: time management technique」を翻訳したものです。内容に相違がある場合は、原文を優先とします。
...
先日日本でもニュースになっていましたが、数々のヨーロッパの空港が大混乱中です。その主な原因はコロナ禍で削った人員が戻らないうちに夏のホリデーシーズンが始まり、人手をかき集めなければならないにもかかわらず、空港も経営難で賃金が上がらなかったことにあります。特にオランダのスキポール空港をメインで使用するKLMオランダ航空の従業員は、その忙しさに見合わない低賃金によりストライキを起こし、さらに人手不足が加速する事態に陥りました。その結果、KLMをはじめとするスカイチームは複数のフライトを削り、日常的に飛行機が遅延する事態に陥ってしまいました。
そこで今回は実際にスキポール空港から関西国際空港に渡航した筆者の体験談をお話しします。
目次
スキポール空港でのルール
筆者の渡航時(7月下旬)及び執筆中(8月初旬)は、スキポール空港から「早くても4時間前にしか来てはいけない」という要求が発表されていました。しかしTwitterを覗いてみると、「4時間前に着いたがゲートまで走ることになった」「セキュリティに並ぶだけで3時間かかった」などという声が複数言語で呟かれていました。加えて、4時間前に到着したにもかかわらず飛行機に乗り遅れた人が何人も見受けられたことから、到底4時間前の到着では間に合いそうにはありませんでした。
筆者個人も「手荷物だけの人と預け入れ荷物がある人が到着していい時間が同じなのは何故だろう」と思いましたし、探した限りではその4時間という数字が何に基づいているのかもわからず、スキポール空港の運営に対する不信感が募るばかりでした。
実際に空港到着からセキュリティを通るまでにかかった時間
実際にセキュリティを通るまでにかかる時間は運にもよるとは思いますが、一例として筆者が実際にかかった時間をシェアしたいと思います。
まずはフライトの約5時間前に空港に到着し、預け入れの荷物の列に並びました。チェックインをするための搭乗券の時間の確認などはありませんでした。筆者は自宅でチェックインを済ませていたので、スキポールのウェブサイトに載っている通り、てっきりセルフサービスで荷物のチェックインができると思っていたのですが、当日行ってみたらカウンターでのみの対応となっていました。その割には待ち列の進みは早く、待ち始めてから37分で荷物を預け終えることができました。
その後、セキュリティの待ち列に入りました。外にまで伸びた列で1時間、中に入ってから1時間半待ったので、合計約2時間半でセキュリティを通ることができました。人員が足りておらず、見られていないことをいいことに列を飛ばして入ってきたおば様や、隙あらば少しでも抜かそうとする方々と肩を並べながらセキュリティを通ることは簡単ではありませんでした。特に子ども連れの家族はぐずる子どもを抱えたりなだめたりしながらセキュリティを通ることになるため、大変そうでした。筆者のフライトは朝早く、9時30分出発だったので比較的人が少ない時間帯にセキュリティに並べたのですが、2階から見下ろしたところ、待ち列はどんどん長くなる一方だったので、私が実際に並び始めた時間より1時間後に並び始めていたら待ち時間は確実に3時間を超えていたでしょう。
チェックイン時
筆者はオンラインチェックインをしていたため、カウンターでの作業はほぼなく、本当に荷物を預けるのみでした。KLMを含むスカイチームでは現在Ready to Flyという、出発の24−5時間前に渡航の際にチェックが必要なコロナ関連の書類(陰性証明書やワクチン接種証明書など)をアップロードできるサービスを展開しています。このサービス(と、それを利用した人達)のおかげで待ち列自体は長く見えたにもかかわらず、30分程度でチェックインを終えることができたのだと思います。
筆者は個人的にスキポール空港から発令されていた「要求(アドバイス)」を少し無視して出発の5時間前に空港に到着し、4時間半前にKLM(Air France)のカウンターで荷物をチェックインすることができました。4時間以上前だとチェックインできないのではないかと不安ではあったのですが、スカイチームは臨機応変に対応をしているようでした。しかし私と同じ日にFinnairを使ってアムステルダムから渡航した知人は大きなトラブルに巻き込まれることになりました。
セキュリティを通過できない危機?!
彼はアムステルダムからヘルシンキ経由で羽田空港に渡航する予定だったのですが、Finnairはスカイチームと違い、出発2時間前からしか荷物のチェックインを行なっておらず、どうしようもない状況だった模様です。デスクに従業員すらいなかったため、相談や交渉する余地もなく、出発の4時間前に着いていても2時間前にしか荷物を預けられないという最悪の状況に。前述の通り、セキュリティの列に並ぶだけでも確実に2時間はかかるので、荷物を預け終わった後、彼は確実に乗り遅れる危機に瀕していました。スキポール空港の従業員も「出発まで2時間あるなら間に合う(絶対に間に合わない)から何も助けられない」の一点張りで、役に立たなかったようです。普段なら絶対にそんなことをしない彼ですが、この状況で仕方なく、謝りながら順番を抜かし、唯一ひとりだけいた気の利くスキポールのセキュリティ職員に助けられて優先レーンに入り、セキュリティチェックを受けて走って飛行機に搭乗し、間に合ったようです。
かなり大変だったように聞こえる彼のケースですが、似たようなことが多発しているようで、それも原因となって飛行機の遅延が多く発生しているようでした。彼がアムステルダムから乗った便は結局、時間通りに搭乗できなかった人が多すぎて3時間の遅延が発生し、私のアムステルダムからパリへの便も1時間ほど遅延しましたし、そのフランスからの乗り継ぎ先の飛行機も、度重なる乗り継ぎ以前の飛行機の遅延によって乗り遅れた人が多かったため、1時間ほど遅延が発生していました。
これらの経験から、スキポール空港をこの夏から秋にかけて使用するということは、自分でできる限りの万全の対策をしていてもセキュリティを時間通りに通れないリスクがあるということが発覚しました。
KLMとAir France
前述の通りKLMとAir Franceはスカイチームという同じグループに属しています。が、しかし!さすが美食の国フランス(と、あまり食にこだわらないオランダ)。機内食の差は歴然でした。
KLMは以下のような機内食でした。
こちらはコロナ禍真っ盛りの頃の機内食なので、全てベジタリアン対応にして不要なコミュニケーションを減らすようにしていたのだと思いますが、関西人の私もびっくりの炭水化物×炭水化物、パスタ×パスタ(サラダ)でした。
こちらは朝ご飯。オレンジジュースとハム卵チーズパンがまずサーブされ、コーヒーは後から回ってきました。
対してAir France。
右下のサラダの代わりのようなものは最後まで何かわからなかったものの、
シャンパンと白ワインをどちらもサービスしてくれるという大盤振舞
美味しいカマンベールチーズを一切れ
チーズのたっぷりかかったニョッキ
の3点で、Air France大優勝でした。
こちらは朝ご飯なのですが、パンだけでなくフルーツ、飲むヨーグルトやジュースがついてくるAir France。対して、飲み物とパンのみのKLM…機内食にはAir Franceに軍配が上がります。
Finnair-JAL便
知人に提供してもらったJALの機内食の写真です。日本米や照り焼き味のメイン、お味噌汁が嬉しいポイントですね。飲み物は日本酒も頼めたようです。朝ごはんはチャーハンなどが出て、普段軽めの朝ごはんに慣れているオランダ人にとっては重かったようです。
現在大混乱中のヨーロッパの空港。避けられるのであれば今はまだ避けた方がいいですが、もしどうしても使わなければならないのであれば、私の体験記が参考になることを願っています。
お久しぶりです、がっきーです。前回の「がっきーの海外インターン体験記」では、タスクの透明性の上昇とコミュニケーションには相関があることをお話ししました。...