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日本とドイツの職場環境って似てる?違う?を簡単分析!【INNOOV海外部】

「勤勉」「真面目」「時間厳守」等々…日本人と似た国民性として知られるドイツ人。近代日本の政治制度や法律回りに関しても日本はドイツの影響を強く受けていると言われています。しかし、似たような制度を備えているにも関わらず日本とドイツでは実勤務時間や、有給休暇の消化率、また仕事に対しての取組み方に大きな差が生じています。そこで今回は、ドイツに在住している筆者が実際に感じた「働き方・仕事への取組み方の差」を簡単にご紹介します。

 

目次

  1. ドイツと日本の「勤務時間」には差がある?

  2. 仕事のオンオフの違いは?

  3. ドイツの休暇事情って?

 

 

ドイツと日本の「勤務時間」には差がある?

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実労働時間って気にしたことありますか?

日本の平均年間実労働時間ってご存知でしょうか?世界の労働時間 国別ランキング・推移(OECD)のデータを見てみると、ドイツは1331時間、日本は1598時間と約270時間ほどドイツの方が実労働時間が少ないことが分かります。意外と差がないと思われるかもしれませんが、このデータにはフルタイマー以外の短時間労働者も含まれている為、フルタイムだけの統計で比較した場合、日本は「男性の1日当たりの平均労働時間だと日本は世界一といっても過言ではないのです。

過労死(Karoshi)という言葉が英語になってしまったり、サービス残業で長時間会社で仕事をしたり…。日本では「仕事=量」の考えが浸透してしまっているのではないでしょうか?筆者も、日本にいた当時の自身の仕事スタイルをドイツにいる友人に話すと毎回驚かれ、弁護士に相談をなぜしなかったのかと言われた経験が多々あります。それくらい日本人は長時間労働に慣れてしまっているのかもれません。


そしてドイツに実質残業はない?

日本では「働き方改革」として、大企業では2019年から、中小企業では2020年から時間外労働の上限規制の導入・運用がはじまりましたが、ドイツではどうなのでしょうか?

まず、ドイツの労働時間法(Arbeitszeitgesetz)では、

・超過勤務を含め休憩を除き1日8時間までの労働が可能

・6ヶ月又は24週以内の平均で1日8時間を超えなければ10時間まで時間外労働が可能  と定められています。

一方の日本の労働基準法では、

・労働時間は1日8時間、週40時間

・時間外労働を行う場合は36協定の締結が必要。但し、36協定を結んだ場合でも時間外労働の上限は月45時間、年360時間まで  と定められています。

どちらも似た内容が明記はされているものの実際の労働環境やワークスタイルに照らし合わせてみると少し違いがあります。

例えば、ドイツでは勤務時間を超過した労働を行った場合、翌日以降で時間調整を行う事が殆どです。これを逆手にとって、「明日の午前中は病院にいくので今日は少し長めに仕事をして時間調整」または、「来週からサッカーの試合が始まるから今週はたくさん働く」等といった形で調整を行っている方もいます。 実際に、EUROカップ開催時は朝の6時~15時までの超朝方出社で働き、夕方からはバーでお酒を飲みながらサッカーの試合観戦をする方を多くを目にしました。このことからもわかるようにドイツでは実質残業は少ない傾向にあります。

一方日本では、ドイツの振替調整とは異なり通常勤務+αで働くことが一般的ではないでしょうか。例えば今抱えている案件を今日中に終わらせたいとなった場合、通常勤務の終了後に数時間「残業」という形で就労をするかと思います。しかし日本ではドイツのように残業として働いた分を繰越調整をする事はないため、翌日以降も通常通り8時間勤務を行い月末に「残業」の集計をするのがセオリーです。もちろん残業代として給与換算はされるものの、まだまだ「残業」を許してしまっている現状は拭えません。

 

 

業務時のオン・オフ「違い」は?

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しっかりまとまった休息時間の確保

ドイツの労働時間法(Arbeitszeitgesetz)では、労働者は1日の労働時間の終了後に連続した 11 時間以上の休息時間の取得を義務としています。9時~17時(1時間休憩を含む)後、翌日の出社までを考えれば、当たり前ではありますが、「休む」という事を法律という形で明記する事は大きなポイントではないでしょうか? 更に、勤務終了から次回の勤務開始まで11時間開けないとシステムが開かないようロックをかけるソフトを導入している企業も有るほどドイツでは法律を巡視した働き方をしています。

また先ほど実勤務時間や、時間外労働について触れましたが、ドイツをはじめとする欧米諸国では労働者が気兼ねなく休める・リフレッシュできる環境を企業が整備しています。例えば前回私が紹介をしたブログでも記載をしましたが、海外ではオフィスにジムや○○サークルを持っている事が多く、ドイツも例外ではありません。

勤務時はしっかり業務に取組み、勤務終了後はリフレッシュ。当たり前とは言え、ドイツのように仕事のオン・オフを明確に線引きさせる事が心身共にバランスを保つという意味でも重要なのかもしれません。

ここまでやるか、ドイツ人

労働時間終了後から連続した11時間の休息時間の取得の義務化は一見すれば、普通とも捉えられる事象です。しかし法律でしっかり守られた権利として存在している事がドイツ人と日本人の意識の違いにおいても大きいと感じる事がここでは多々あります。

例えば筆者の知り合いには、勤務時間外の仕事の電話等の連絡は着信拒否やミュート、あるいは既読スルーをしてしまう方もいます。ちょっとやりすぎ?と当初は感じていましたが、こうやって自分の時間を確保する事が出来るという事は日本人も見習うべき事なのかもしれません。

話は少し脱線しますが、以前友人と平日ランチへ行った際、業務時間にもかかわらずアルコールフリービールをオーダー。さすがに業務中だと声をかけると、これも自分をリフレッシュさせる一つの手でアルコールは入れない配慮はしているので大丈夫だとの事。私にとってはとってもカルチャーショックでしたが、こうやってオン・オフを切り替えている事については勉強になった一面でした…。

 

 

ドイツの休暇事情って?

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有給休暇事情をみてみよう!

有給休暇使ってますか?私は日本にいた当時は有給申請書の提出や人目を気にしてしまって自ら進んで有給を消化したことは恥ずかしながら有りません…。

日本では、労働基準法の改定により2019年から大中小企業にかかわらず、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。一方ドイツでは、連邦休暇法(Bundesurlaubsgesetz)で6ヶ月以上の勤務で最低年 24 日以上(平均30日)の有給休暇が付与され基本的に「使い切り」が原則になっています。

そして消化率を実際に2020年のデータを比較して見てみると、

【ドイツ(ベルリン)】

平均有給付与日数:30 日(法定祝日数:9日)

平均取得日数:25日(83%)

【日本】

平均有給付与日数:20 日(法定祝日数:16 日)

平均取得日数:9日(45%)

と違いは一目瞭然で、ドイツでは、有給休暇30日を夏の旅行や、クリスマスホリデーとして使う方が大半です。この大旅行やイベント時に家族と過ごす事をを日々の仕事のモチベーションとして働いたり、自身のヘルスケアに充てているようです。

一方日本は労働基準法にのっとった最低ラインの有給消化しかしていない方が多いと推測されます。理由として日本では、休んでいるとやる気がないのでは?と思われるかもしれない、有給=緊急時用だからと休暇を取る事に対してとても消極的、ネガティブな印象を持っている方が多くいるようです。

しかし有給休暇は本来与えられた権利であり、自身のモチベーションやヘルスバランスを維持する意味でも使っていく事べきではないでしょうか。自身のモチベーションを維持する事が企業の価値生産にも大きくかかわってくるのかと思います。

有給休暇を「積極的」「前向き」に使っていける環境配備をどう進めるかが、今後日本のワークライフバランスを大きく左右するかもしれません。

長期休暇に問合せをすると…

サービスを提供する側が、長期休暇を取得する場合サービスを受けたい側にはデメリットが生じてしまう場合があります。

実際に筆者もドイツに移住をして間もない頃、夏季休暇や冬期休暇に問合せをしてしまい返信が来ずどうしたらいいのか困った経験が有ります。例えば今となってはいい思い出ですが、担当者とのやりとりがうまくいかず、インターネットが夏の期間丸々使えなかった事や、電気会社の契約切替時一方の担当者が長期不在になってしまい切替が半年先になってしまい無駄にお金を払う羽目になってしまった事等々…

ドイツでは担当者が長期休暇に入ってしまった場合、お問合わせの返信は本当に緊急を生じる場合以外、基本的に「数か月後」です。その為、問合せをしたい何かがある場合は、相当な余裕をもって問合せをする必要が有ります。また、ドイツ人は計画をしっかり立てて動きたい国民性なのか、休暇開始日の1週間前までで新しい業務や問合せの受付を締切り、業務に取り掛かる人も多くいる印象です。

ちなみに最近では、担当者の不在を補う「休暇期間採用」を実践している企業増えてきたようです。しかし採用された人材のほとんどが本来業務に携わっていないトレーニングもままならない「新人」となる為、サービスの質を維持する事が課題となっています。

日本でも長期休暇にスポットを置いた求人を見かける事が有りますが、両国ともに本来その業務に携わっていない「新人」をどう教育して業務に携わらせるのかがポイントになってくるのではないでしょうか?

 

 

まとめ

いかかでしたでしょうか?国民性や法律面などの仕組みが似ているといわれるドイツと日本ですが、深掘りしていくと「違い」がやはりある事が分かります。

ドイツでは、セルフタイムとワークタイムをはっきりと区別したライフスタイルであり、自分の時間をしっかり持つという事に対しての考え方は日本より盤石です。一方で、自分の担当以外は手を付けない・自分の時事以外は基本的に受付けない事が多いのが難点であり、日本のような質の高いサービスを継続的にいつでも提供する体制の構築をどう行っていくのかが今後の課題かと思います。

そして日本では、「お客様第一」が裏目に出てしまっている働き方を行っている場合が多く、結局仕事とプライベートのオンオフが出来ていない場合がほとんどであり、今後は仕事とプライベートのバランスをうまく保つことのできる環境配備やマインドの変革が必要ではないでしょうか?

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