
こんにちはプロセスコンサルタントのYoshiyaです。
皆さん、お久しぶりです!
Enterprise Team Architect の Gen です。
Atlassianでは、2021年4月28-29日(日本時間4月29日午前1時~4月30日午前9時)にかけて2日間のグローバルでのデジタルイベントが開催されました。
※すべて英語によるコンテンツになっています
※セッションは4月28日と29日にPDT(太平洋標準時)で放送され、4月29日と30日にAEST(オーストラリア東部標準時)とCEST(中央ヨーロッパ夏時間)で再放送されました。
その名も「Team 2021」!(Summitから名前が変わりました)
そこでは、新製品や新機能の発表、パートナーからカスタマーまで様々な登壇者による豊富なセッションやデモが行われています。
そしてその中で、Jira Core Cloud の次世代型製品として「Jira Work Management」のリリースが発表されました。
※Jira Work Management(JWM)は、2021年4月28日から利用可能になっています。
マーケットとして、AtlassianはJira Softwareの「開発管理ツール」のイメージからなかなか離れられないでいるように僕自身感じていましたが、いよいよ部門の垣根を越えて、企業でのコラボレーションツールとしてのイメージを出してきたなぁと、この製品のリリースやキーノートを見ていて思いました。
確実にAtlassianは、「エンタープライズアジャイルプラットフォーム」へと向かっています。
さらに最近は、分析ダッシュボード製品を提供する「Chartio」やフォーム作成アドオンのメーカーである「ThinkTilt」がAtlassianによって買収されたので新機能の追加もされていくでしょう。直近では、ThinkTiltの製品である「ProForma」は標準機能(フォーム作成機能)として、組み込まれる予定です。
今後の動向に目が離せませんね!
今回は、発表された「Jira Work Management」について説明・ご紹介していきたいと思います。
目次
Jira Work Managementは、組織として統一された構造でチームとプロジェクトを横断して作業を計画・追跡する組織のための、ワークマネジメントツールです。Jiraの機能をフレンドリーかつ使いやすいインターフェイスで活用することができます。
組織全体で同じAtlassian製品群でコラボレーションを行うのがこれまで以上に簡単になりました。
Jira Core Cloud をリブランドした次世代製品「Jira Work Management」
Jira Work Managementは、Jira Core をリブランドをした製品でビジネスチームを考慮した設計になっている製品です。マーケティング、人事、財務、法務、デザイン、営業、およびオペレーションなど様々なビジネスチームで活用できます。
Jira Core ってどんな製品?
Jira Coreは、Jira SoftwareやJira Service Management (旧Jira Service Desk) に内在している共通モジュール相当のものであり、ビジネスユーザー向けのプロジェクト管理・タスク追跡として利用可能な製品でした。
今回、このJira Core Cloudが「Jira Work Management」として生まれ変わりました。
Jira SoftwareやConfluenceとの連携はもちろんできる!開発やITチームとの連携がスムーズに
もちろんAtlassianファミリーの一つであるため、Jira Software, Jira Service Management, Confluenceなど他の様々な製品との連携も可能です。業務部門と開発部門などといった、部門の垣根を超えたコラボレーションを実現します。
新しく出てきたJira Work Management、一体どんな機能が増えているのでしょうか?
大きく6つの特徴があるので、一つずつ説明していきます。
特徴1.豊富なビジネスプロジェクトテンプレート
マーケティング、人事、財務、オペレーション、デザイン、法務、営業、そして個人の作業用など24種類のビジネスプロジェクトテンプレートが用意されています。
特徴2.リストビュー
リストビューでは、インライン編集によって素早く更新することができます。チケットを開いて内容の更新をする手間が省けます。
また、Excelやスプレッドシートのような操作感は、ビジネスユーザーにとって馴染みがあるはずです。
ビジネスユーザーにとって使いやすい画面に仕上がっています。
特徴3.カレンダービュー
この機能はビジネスユーザーは嬉しいのではないでしょうか?
実は、Jira Softwareではアジャイルな開発を設計思想にしているため、カレンダーで課題管理をするような機能はありませんでした。結構、お客さんで業務部門の方からはそういった要望がよく出ていました。
カレンダー上で特定の日付をクリックすると、その日を期日とした課題の新規作成が可能です。例えば、2021年5月11日が期日の依頼タスクが来た時にカレンダービューから日付をクリックしてすぐにチケットが切れるわけです。もちろん、一つの日付に複数のチケットを配置することも可能です。
次に紹介するタイムラインビューも含めて、ビジネスユーザーにとって非常にわかりやすく、魅力的な製品になっています。
特徴4.タイムラインビュー
カレンダーだけでなく、ロードマップ形式でも管理したいっていう時がありますよね。その機能、搭載されています。しかもタスク一つ一つにロードマップが引けるので、全体像がつかみやすく可視性も高いです。
最近Jira Softwareでリリースされた機能である「プロジェクトロードマップ機能」ではEpicレベルでのロードマップの仕様*だったのですが、Jira Work Managementでは、タスクごとでロードマップが引けるので細かい管理が可能です。
※プレミアムプランでの機能「Advanced Roadmaps for Jira Cloud」では、プロジェクト横断でかつ、階層による細かい管理が可能です。
特徴5.フォーム作成機能
依頼フォームの作成機能、これ良いですね。
部署間の依頼等で必要なフォームを簡単に作成ができ、Jira Software上でスムーズなやり取りができます。
部署間でJira上で依頼するとき、別のJiraプロジェクト(部署ごとでJiraプロジェクトがある前提)にチケットを切る必要がありました。
部内のメンバーが使うのと同じ画面であるため、作成画面を依頼者向けの表現にするということが困難でした。
Jira Work Managementによって依頼フォームを持つことができるので、
重いワークフロー系はJira Service Managementで
他部署への簡易的な依頼事項は Jira Work Management のチケット上のフォームで
といった感じで使い分けをして運用できそうです。
特徴6. プロジェクト背景色機能
これもまたうれしい!
今までJira Software はシンプルというかちょっと地味な側面もありましたが、Trelloの良さを吸収してデザイン性も高くなってきました。
現在は14色のカラーバリエーションがあるので好きな色に変えられます。
※画像背景は現在はできないですが、要望は上がるかも
自分たちのチームが好きな色のカンバンで、作業することができます。
ビジネスユーザーにとって使いやすく、取っつきやすい製品になっています。
カジュアルに使えて、組織としてフォーマット化(共有スキーム構成)して使えます。開発だけでなくビジネスチームも巻き込める工夫がなされていることがわかります。
グローバルで戦う組織に必要不可欠な「ビジネスアジリティ」
「ビジネスアジリティ」というキーワードが今後重要になっていきます。ビジネスアジリティとは、組織としてマーケットや社会環境の変化に対して機動的に動けることを指します。
アジャイルというと開発やITのイメージが強く、業務部門の関与があまり強くありませんでした。それでは、開発チームの中ではスクラム等の実践をしていても他部署との連携でスローダウンしてしまい根本的、つまり組織的なアジリティの実現は困難です。
この Jira Work Management によって業務部門(ビジネスチーム)がよりJiraプラットフォームを利用しやすくなり、部署間、あるいはIT・開発・ビジネスの連携をより強化していくことができます。
Jira Work Management は、ビジネスアジリティを支える製品となっていくはずです。
今後の課題
ただ、課題がないわけではありません。柔軟性に伴う「全体最適」の難しさは課題として残っています。
製品が柔軟に設定して活動できるようになる一方で、部署内で「部分最適」にならないように注意する必要があります。これは、どんなツールを使っていても気を付けなければならないことです。
ワークフローやステータス、フィールドや課題タイプ、それぞれのチームがバラバラの用途で利用していたり独自のデータを持たせたりすると、データの集計や全体での俯瞰が困難になってしまいます。
つまり、自分たちのチームが「使いやすい」だけではビジネスアジリティは上がらないということです。
ツールの柔軟性に伴って組織としてどこまで設定構成を統一させていくかという検討は非常に重要です。そして、自分たちの従来のやり方・考え方をそのまま適用させようとするのではなく、グローバルスタンダードな仕事の進め方を理解し、自分たちの仕事の進め方や考え方を「再定義」することも大切です。
よって、部署間(ビジネス-開発)でのコミュニケーション方法の設計(全体最適)とユーザートレーニングがビジネスアジリティの実現において必要な要素になります。
私たちINNOOVは、お客様の組織としてのビジネスアジリティを実現するためにAtlassian製品、Jiraプラットフォームを全体最適させてご活用いただけるようサポートしていくことがAtlassian Partnerとしてのミッションだと考えています。
ぜひ一緒にスモールスタートからでもよいので、始めて行きましょう!
今回は、Jira Work Management の概要やその特徴について説明しました。Jira という製品のイメージを大きく変え、ビジネスアジリティを加速させていくでしょう。
次々と新しい機能が出てきていますし、「Point A」といわれる新製品開発向けのプログラムも実施されているのでどんどん新しい製品が出てきます。
Atlassian の Point A: 良いアイデアを素晴らしい製品に | Atlassian
URL:https://www.atlassian.com/ja/point-a
今後の展開が楽しみです!
僕自身もキャッチアップしていかないと、どんどん置いて行かれてしまいますね!
質問等がありましたら、右下のチャットボタンよりお問い合わせください。
今日はこんな感じで!
それでは!
参考
Atlassian launches a Jira for every team – TechCrunch
https://techcrunch.com/2021/04/28/atlassian-launches-jira-work-management-a-jira-for-every-team/
Introducing Jira Work Management - Work Life by Atlassian
https://www.atlassian.com/blog/announcements/introducing-jira-work-management
Jira Work Management | A friendly and powerful way to work
https://www.atlassian.com/ja/software/jira/work-management
ThinkTilt, the maker of ProForma, joins the Atlassian family - Work Life by Atlassian
https://www.atlassian.com/blog/announcements/atlassian-acquires-thinktilt
こんにちはプロセスコンサルタントのYoshiyaです。
※本ブログはTempo「How Do Tempo Timesheets and Tempo Planner Work Even Better Together?」を翻訳したものです。内容に相違がある場合は、原文を優先とします。