
IT用語解説シリーズ…前回はIaaSについて説明させて頂きました‼
最近はIT業界以外でもIT用語が使われる機会が増えてきました!
クラウド、IoT、ビッグデータ、AI、5G…聞いたことはあるけど、はっきりとした意味を知らないまま過ごしている方もきっと多いことでしょう。
今後ますますIT技術が必要不可欠な時代になっていく中で、IT用語を学ぶことは有意義な事かと思います。
業務改革などで新しいITツールの導入を検討される時、少しでも専門用語について知っていれば
業者の営業の言われるがままに選ぶことなく、自分にとってベストな利用システムの選択をすることができます。
よく耳にするIT用語を解説させて頂きますので、少しでも活用してもらえたら嬉しいです!!
「サース」「パース」「イアース」など似た用語をたくさん見かけるかと思いますが、その中の一つです。
「IaaS」の説明にいきなり入る前に…そもそも何なのでしょうか?
「IaaS」とはインターネット上で提供されるサービス(=クラウドサービス)のことです。
クラウドサービスは何種類もあります。
総称してXaaS(ザース)と言われることがあります。
ちなみにこれは「X as a Service(サービスとしてのX)」の略です。
「X」の部分に色々な言葉を当てはめて使い分けます。
例えば「X」の部分を「S」に変えて「SaaS」という感じに…
全部の言葉に「as a Service(サービスとして)」が入ってます。
なるほど、XaaSの中にSaaSやPaaSがあるんですね!
では、SaaSやPaaSなどそれぞれの違いは何なのでしょうか?
それは、提供されるサービスに違いがあります。
SaaS(サース)➡ソフトウェアを提供
PaaS(パース)➡ソフトウェアを動かす環境を提供
この様に提供されるサービスで用語を使い分けます。
前置きが長くなりましたが、ここからが「Iaas」の説明です。
ちなみに読み方は「イアース」「アイアース」どちらでもOKです!
「IaaS」は「Infrastructure as a Service」の頭文字を取った略語です。
Infrastructure(インフラストラクチャー)は基盤・構造といった意味です。
インフラと略して呼ばれることが多く、こちらはよく耳にされるのではないでしょうか。
「IaaS」=「サービスとしてのインフラ(基盤)」です。
インフラについて少し詳しく説明させて頂きます。
IaaSにおけるインフラは、パソコンでいうハードウェアのことを指してます。
システムの土台になる部分の事です。
システムの土台部分はストレージやサーバーなどのことです。
これらは本来自分達で購入・用意する必要がある物ですが、機器の安定した設置場所の確保や、維持管理のためのスタッフも必要となり大きな導入・維持コストがかかります。
さらに、故障や更新の際の維持費用もかかります。
サーバーとは?
ユーザーが使用するコンピューターに情報やサービスを提供するコンピューターのことです。Webサイトや画像の表示、アプリの使用に必要なものです。
ストレージについて
データを保存しておく場所です。ハードディスクやSSD、USBメモリー、CDやDVDなどを指します。サーバーもデータを保存してくれますが、サーバーは情報処理など他の事もしてくれるのに対して、ストレージはデータの保存しかしません、この違いで区別すると良いですね。
つまり、IaaS(インフラとしてのサービス)とは…
本来自分達で用意する必要がある「サーバー」や「ストレージ」など、システムの土台部分を
インターネットを通して利用できるサービスということです。
自社で購入・用意する必要がない分、システムを構築する時の初期費用や維持コスト(保守運用等)が抑えられます!
下記の3つのクラウドサービスを紹介させて頂きます。
AWS (Amazon Web Services)
GCP (Google Cloud Platform)
Microsoft Azure
AWSはAmazon、GCPはGoogle、Azureはマイクロソフトが提供しているクラウドサービスです。
・サーバー環境を利用できる。
・データを保存するストレージ機能を利用できる。
・データベースを構築・設定して利用できる。
・大規模なデータの探索や分析ができる。
3社とも利用できる内容に大きな違いはないでしょう。
これらはサービスのほんの一部で、他にも様々な機能があります。
では3社のクラウドサービスの特徴や導入事例を見てみましょう。
①AWS(Amazon Web Services)
~特徴~
・豊富な学習リソース
チュートリアル動画や学習リソースがたくさんあります。
・継続的な値下げ
リリース後の反響が大きくすぐに提供規模を拡大、その為AWSのサーバーの調達コストなどを劇的に安
くできています。
また、新しい技術を取り入れることでコストの低減にも成功、これらのコストダウンをユーザーに還元
し、継続的な値下げを実現しています。
・豊富なサービス
サービスの種類が多い為、システムに柔軟性と俊敏性があります。
複雑なシステム構築が可能です。
~導入企業~(参照)
ソニー株式会社:AWSでデータ分析基盤などを構築
東日本旅客鉄道株式会社:AWSで顧客志向のアイデアをベースに新しいサービスをリリース
他にも…森永製菓株式会社、株式会社ファミリーマート
②GCP(Google Cloud Platform)
~特徴~
・世界規模のネットワーク
世界最大かつ最も革新的なネットワークを提供してます。
世界中に張り巡らされたネットワークで、事業をグローバル展開させることができます。
・安定したインフラ機能の提供
急激なアクセス増加などの負荷にも耐え、安定した性能が利用できます。
・AI分野のサービスの充実
Google 自らが使用する機械学習のエンジンやツールが数多く提供されています。
最先端の機械学習を使ったデータ解析ができるの魅力的です。
~導入事例~(参照)
ANA こと全日本空輸株式会社:1 万人以上のスタッフ間での情報共有にGCPを活用
株式会社サイバーエージェント:GCPで数ミリ秒単位の配信と「リアルタイム」を実現
他にも…ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社、株式会社オープンハウス
③Azure(Microsoft Azure)
~特徴~
・自社に合わせて多様な開発が可能
簡潔かつ簡単にクラウドアプリやモバイルアプリの構築、リリース、テスト、監視などが行えます。
・ID管理とアクセス管理
アクセス権の制御やユーザIDの保護、それを支える認証機能など、悪意のある攻撃からID管理とアクセ
ス管理を守ります。
・Microsoft社のサービスとの連携や統合が簡単
MicrosoftのOneDriveやMicrosoft 365といったMicrosoft Azure以外のクラウドサービスともデータの連
携や統合したうえで使用可能です。
システムの導入と移行の両方をスムーズな形で行えます。
~導入事例~(参照)
三井住友海上火災保険株式会社:AzureのAIで保険金請求データを分析・学習し、不正を判断
大阪市:Microsoft 365 に含まれる全てのサービスと連携し、活用部署単位・チーム単位での業務の円滑化
他にも…三菱電機株式会社、ヤマトホールディングスなど
多種多様な企業がIaaSを活用してますね!
ではIaaSを使うと何がそんなに良いのでしょう?
・自由な環境の構築
IaaSのサービスで提供されるのはハードウエアの部分のみとなります。
そこに自らアプリケーションを入れて環境を構築できるので、自社のニーズに合わせたシステム開発が可能です。
・サービスが柔軟
サーバのCPUやメモリー、ハードディスクなどをユーザーが必要な分だけ借りることができます。
スペックも自由に選択でき、ストレージなどを拡張したり、解約するといった対応も柔軟にできます。
アカウント作成だけですぐに事業を始められます。
・メンテナンス不要
自社でサーバを用意すると障害修復や改修費用などが発生しますが、IaaSではそれがありません。
予想外の出費が必要ない分予算が立てやすくなります。
・BCP対策になる
BCP対策とは、地震や停電などの緊急事態が起こった場合に、被害を最小限にとどめ、事業の復旧と継続ができるような対策を講じることです。
IaaSを利用すると遠隔地のデータセンターにシステムやデータを預けることでバックアップがとれます。
そのためIaaSを利用すること自体がBCP対策になります。
IaaS(アイアースまたはイアース)とは、システムのハードウェア部分をインターネットを通じて利用出来るサービスの事です。
PaaSやSaaSなど似た用語が他にもありますが、提供されるサービスの違いで使い分けてます。
多種多様な企業がIaaSを利用しています。
IaaSの説明の中で何回か登場した「SaaS」や「PaaS」についても、今後詳しくお話しさせて頂ければと思ってます!